こんにちは😃ぽりっしゅです!
SUPER GTとはどんなカーレース?【前編】の続きです!本記事の【後編】ではSUPER GTの魅力について筆者が感じていることをまとめていきます。
SUPER GTには他のレースには無い魅力的な部分があります。SUPER GTの面白さをお伝えします!
SUPER GTの魅力
SUPERGTというレースにはあらゆる車両が走行していることが分かりました。しかし、走行する車種が多いのは事実ですがどんなカーレースでも複数の車種が走行するのは変わりありません。
では、SUPERGTならでは魅力とは何なのでしょうか。
筆者はSUPERGTの魅力を
- 混走とハンデ
- ピット戦略
- タイヤメーカーの争い
- 現地観戦の迫力
だと考えています!
混走とハンデによる白熱したレース
混走とハンデってどういうこと?
混走とは性能が異なる車が同時にレースを行うことです。上記でも書いた通り、SUPERGTはGT500クラスとGT300クラスがあり2つのクラスが同時に同コースでレースを行います。
SUPERGT以外のレースでも車両性能が異なるクラスの車両が同コースでレースを行うことは多々あります。
有名なところだと【ニュルブルクリンク24時間耐久レース】や国内だとスーパー耐久は車両性能が異なるクラスが混走するレースだね!
しかし、SUPERGTと決定的に異なることはあらゆるクラスが混走するレースは【耐久レース】=長距離のレースであるということです。長距離レースであれば速い車に道を譲ってタイムロスが生じる、もしくは遅い車に道を塞がれてタイムロスが生じても多少の誤差のため大きな影響はありません。
トラブルなく長時間のレースをこなすことが重要なのです。
しかし、SUPERGTは耐久レースではなくスプリントレースです。何秒の世界ではなく、コンマ何秒を削るために各チームがしのぎを削っています。
コンマ何秒を争う世界なので多少のタイムロスも許されません。しかし、クラス違いの車が混走していますので遅い車が速い車に道を譲る場面が必ずおとずれます。そこでいかにタイムロスを生じず、遅い車は速い車を先に行かせるか、速い車は遅い車をかわすかが重要になります。
レース開始から数週程度でGT500クラスがGT300クラスに追いつくのでその辺からあらゆるドラマがうまれますので非常におもしろいです。
タイムロスが生じるのは速い車だけでなく、遅い車もレコードラインを譲って走行することになるのでタイムロスが生じるよ!
レコードラインを速い車に譲る=レコードラインを空ける事になるので速い車の後ろについて抜きにかかることもあるよ!
また、ハンデというのは【サクセスウェイト】と呼びます。
レースの結果が10位以内に入賞をすると順位に応じてレース毎にポイントが付与されます。付与されたポイントに応じて車にサクセスウェイトを積まなければなりません。
速く走るために、タイム同様数グラムでも車を軽くしようと開発を進めているのでサクセスウェイトで数10kgのウェイトを積んで走行するのは燃費やタイヤの摩耗、ブレーキ、ストレートスピード等あらゆるところに影響を与えます。
勝てば勝つほど車が重くなるため、あらゆるチームがトップ争いを繰り広げられるようにハンデが設けられています。
GT300クラスにはサクセスウェイトしかないけれど、GT500クラスには燃料リストリクターと呼ばれるエンジンの出力を制御するハンデもあるよ!
レースはコース上だけでなく頭脳戦
頭脳戦??速く走る車が速いんじゃないの??
レースは頭脳戦であり、ピット戦略、レース中の戦略で大きく順位に差が出ます。特にピット戦略はレース通がレースを見る際には絶対に欠かさない場面です。
速く走る車が速い、それは間違いではありません。当然速い車は上位になる可能性が高くなります。重要なのは速いからといって必ず上位になれるわけではなく、車の調子がよく速く走れても戦略を間違えると上位はおろか、ポイント圏外でフィニッシュする可能性すらあります。
SUPERGTで戦う際にはあらゆる戦略が錯綜します。ピットインのタイミングやピット時間を短縮するためのコース上での燃費走行、決勝レースではくタイヤのコンパウンド、相手の特徴(ドライバーやタイヤ)からすぐには抜かず、自分のペースを抑え終盤に勝負をかける等々あらゆる戦略があります。
それぞれのチームが異なる戦略を取ることによって決勝レースではマシンのスピードだけではない勝負が繰り広げられます。
例えばピットインのタイミング1つをとっても
- GT300と混走するタイミングを見越してピットイン
- ピットアウト後どの位置でコースに戻れるかを読みピットイン
- タイヤや燃料の状況、後半の持たせ方を考えピットイン
などなどあらゆることを想定しピットインのタイミングを決定するよ!
さらには天候が雨に変わりそうな時や逆に雨が上がりそうな時はタイヤ戦略によりその後のレース展開が大きく変わるのでピットインのタイミングがレース結果に大きく影響します。また、セーフティーカー(SC)やフルコースイエロー(FCY)を待って(逆にSCやFCYの影響を避けるため)にピットを遅らせたり、早めたりすることもあります。
こちらもタイミングによってはレース結果に大きく影響します。2022年度シーズン、2021年度シーズン2年連続でFCYをうまく利用し、決勝最後尾スタートからレース優勝をしたチームがありました。ピット戦略はレース結果にとてつもなく大きな影響を与えます。
【用語概説】
スリックタイヤ‥路面が濡れていないとき(雨以外)で使用するタイヤ。一般的な車のタイヤと異なり、溝がない。
レインタイヤ‥路面が濡れているとき(雨)の時に使用するタイヤ。うっすら濡れているだけの時はスリックタイヤを使うこともある。一般的な溝があるタイヤ。
コンパウンド‥タイヤの硬さ。路面温度によってタイヤの硬さを選択する。選択を誤るとタイヤがたれて勝負にならない。かといって硬くすればタイヤがグリップせずこれまた勝負にならない。※1
セーフティーカー(SC)‥クラッシュが起こった時などレースが通常通り行えないが、中断するほど激しくない時に出される。1度隊列を整えレースリスタートとなる。そのため前車との差がなくなるので状況によっては大きなチャンスとなる。
フルコースイエロー(FCY)‥出される状況はSCと同様だが、SCを出すほど状況が激しくない時に発出される。全車80キロに規制されコース上を走り続ける。SCと異なり全車80キロで走り続けるので、前車との差が縮まることはない。
タイヤコンパウンドは決勝当日に決定するのではなく、前日の予選の際に決めなければならないよ!
タイヤ戦略については別のブログでまとめてるよ!
レースは見ているだけでも楽しいですが、SCやFCYとピット戦略の絡みまで理解して観戦できるようになると上級者でレース観戦が数倍面白くなります!
タイやメーカーの争い
基本的にカーレースで使用するタイヤメーカーはワンメイクだよ!だからタイヤで差はできにくいのだけれどSUPERGTはタイヤがワンメイクじゃないよ!
こんなレースは他にはない!!
SUPERGTに参戦する車両が使用するタイヤメーカーはワンメイクではありません。SUPERGTに参戦する車両は
- ブリジストン
- ヨコハマ
- ダンロップ
- ミシュラン
国内外4ブランドのタイヤを使用してレースを行います。メーカーが異なるので全く同じコンパウンドということはありません(詳細は分かりません‥)。同じような程度のコンパウンドのタイヤを使用してもメーカーによって路面温度の適温や耐摩耗性が異なります。そのためSUPERGTの解説を聞いていると
「ARTA NSXはブリジストンタイヤを履いています」や「ヨコハマは予選1発は早いがロングラン(決勝)に弱い」といったマシンだけでなく、タイヤの特徴を逐次伝えています。画面上に車名が映る際にもタイヤブランド名が記載されています。
SUPER GTに近い海外レースですと【DTM】がありますがDTMでは全車がファルケンタイヤを使用するのでコンパウンド選択の違いはあるもののタイヤによってレース展開が大きく変わることはほとんどありません。
タイヤって全部一緒のように見えるけど全然違うんだね💦
タイヤ選択一つでレースに大きな影響があるなんて想像もしていなかった!
SUPERGTでタイヤ争いをするタイヤメーカーは私たちが普段使用する一般車でも使用しているタイヤメーカーです。街乗りとは比較にならないくらい過酷な状況下でタイヤを使用するレースの世界でタイヤ開発を進め、市販車用タイヤにもレースで得ることができたデータを使用しタイヤ開発をしているそうです。
年々開発が進んでいるのでタイヤの性能もどんどん上がっていますね。
2022年のシーズンはミシュランのレインタイヤ性能が異次元でしたね。
レインとスリックが違うの?というくらいペースが異なり圧倒的に雨ではミシュランが強かったです。
ここまで差があると逆に面白く無くなってしまうので、来年度以降はミシュラン以外のレインタイヤがどこまで性能を上げてくるか気になりますね!
日頃目にする車がレースをしている
カーレースといえばレースを走行する車は基本的にはスポーツカーです。さらにレースにはGT3カーを使用することが大半なのでいわゆる【スーパーカー】と呼ばれるランボルギーニやフェラーリなど高級輸入車が多いです。
高級輸入車たちがレースで熱戦を繰り広げるのも十分楽しいですが、【前編】でも述べた通りSUPERGTにはGT300クラスがあります。GT300クラスにはトヨタの86やスバルBRZ、さらにはトヨタのプリウスのようなハイブリッドカーもレース仕様に改造されてスーパーカーと対等にレースを繰り広げています。
私たちでも手が届く車たちが限られた人にしか手が届かないスーパーカーに勝利する様はとても気持ちがよいものです。
日頃目にする車がレースをしているのはなんだか雲の上の世界にあるカーレースが短に感じる瞬間です。
大迫力の走行音
最後は大迫力の走行音です。SUPERGTにかぎったことではありませんが機会があれば一度体感をしていただくと非日常を感じれれるでしょう。これは実際にサーキットに足を運び生でレースを見なければ感じることができません。街中でたまに見かける爆音の車やバイク、レーシングマシンに比べれば全く桁違いです。
マシンが自分の観戦しているコースの前を走行している時は隣の人と普通に会話ができないほどレーシングマシンの排気音は大きい音だよ!
人によっては騒音にしか聞こえない部分ではありますが、車好きにはとてつもなく魅力的な項目です。特にレース開始時に一斉に1コーナへ突っ込んでくる迫力は錚々たるものがあります。うまく言葉が浮かばないほど凄まじい迫力があります。
ぜひ一度レースを生で体感してみてください!!
まとめ
SUPERGTの魅力について記事をご覧いただきありがとうございます。
レース観戦が趣味の筆者が1番興味を持って観戦しているレースであるSUPERGT。SUPERGTを見ていて面白い!と感じる部分をまとめてみました。
車好きだけど、レースを見たことがないというような方に響けば嬉しいなぁと思っています。
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